
2015年春、携帯大手キャリアへのSIMロック解除の義務化がスタートして話題となりました。ニュースでは耳にするものの、あなたは「SIMロック」について理解できていますか?
自分の端末がSIMロックを解除できるかご存知でしょうか?正直知らないですよね・・。そこで今回はSIMロック解除の基礎知識と各キャリアのSIMロック解除条件などをまとめてみました。
そもそも「SIMロック」って何?
まずはSIMカードについて確認しましょう。
SIMカードとは、携帯電話やスマートフォンなどに挿入する小さなICカードのことです。このカードには電話番号などの情報が書き込まれていて、通話やデータ通信をするために絶対に必要なものです。
*Wi-Fi(無線LAN)環境下であればSIMカードが無くても通信は可能です*
それではSIMロックとは何でしょうか。
大手携帯キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンク)で販売されている携帯やスマートフォンには、自社キャリアのSIMカードしか使えないようなロック(縛り)が設定されていて、その端末では他社の回線が利用できないようになっています。
このことを「SIMロック」と言うのです。
つまり同じキャリアの端末 × SIMカードの組み合わせでしか利用できないということです。
例えば、使わなくなったauのスマホをソフトバンクに持って行ってもauのロックがかかっているので、ソフトバンクの契約では使うことができません。
[SIMロックのイメージ]
- ドコモ端末→ドコモ SIM のみ
- au端末→au SIM のみ
- ソフトバンク端末→ソフトバンク SIM のみ
SIMロック解除によって出来るようになること
総務省より「SIMロック解除の義務化」が2015年5月1日から施行されました。これは端末のSIMロックをユーザーの意向により解除することを原則義務付けるものです。
SIMロック解除ができるようになれば、手持ちの端末がSIMフリー端末となるので、キャリアに縛られることなく自由に回線サービスを利用することが可能となります。
今まではキャリアを乗り換える時には当然の機種も買い換える必要がありましたが、今後はそれまで使っていた同じ端末を別のキャリア回線で利用することが可能となり、これは大きなメリットです。
また、大手キャリア以外にも、格安SIMと呼ばれるMVNO事業者のSIMを利用するという選択肢も増え、通信料の軽減につながると期待されています。
▶︎▶︎参考記事:格安SIMのメリット・デメリット
各社のSIMロック解除条件
「SIMロック解除の義務化」により、2015年5月以降に発売された新機種については、基本的にSIMロックの解除が可能となります。
「わーい、早速SIMロックの解除をして格安SIMに乗り換えるぞー!」っと張り切っているそこのあなた、お気づきでしょうか。2015年5月よりも前に発売された機種については、義務化の対象外となっています。
つまり、2015年の5月よりも前に大手キャリア(ソフトバンクやauなど)で契約したスマホをもって格安SIMを使おうと思っても使えない、ということです。
また、購入後180日経たなければ解除ができず、すぐに乗り換え…というわけにはいきません。SIMロック解除の対象機種・詳細条件は各キャリアによって異なる点があるので確認していきましょう。
NTTドコモ
ドコモは義務化以前から、iPhoneを除いた多くのAndroidスマホではSIMロック解除が可能でした。よって、解除できる機種が他のキャリアより多いことが特徴です。
機種の発売時期によりSIMロック解除の条件は2パターンに別れます。
その1 / 2011年4月~2015年4月に発売された機種(iPhoneを除く)
- 購入後、即時SIMロック解除が可能
- 店頭での手続きのみ
- 手数料:3,000円(税抜)
- 対応機種については、ドコモ WEBページを参照してください
ドコモユーザーの方は上記のように比較的楽にSIMロック解除をすることができます。手数料の3000円を出すだけで、その端末により格安SIMや他のキャリアで契約することが可能なのです。
その2 / 2015年5月以降に発売された機種(iPhoneを含む)
- 購入後6ヶ月経過していること
- オンライン / 電話 / 店頭にて手続き可能
- 手数料:オンラインは無料、電話・店頭は3,000円(税抜)
- 契約者本人の購入履歴が確認出来る端末が対象(オークションや中古端末はNG)
*同じ回線契約にて過去にSIMロック解除経験があり、その解除から6ヶ月経過していれば、新機種の購入日より6ヶ月以内でも解除可能*
au
au では、2015年5月以降に発売された機種のみがSIMロック解除の対象です。ドコモとは異なり、店頭に出向いて手数料を支払えば本人が購入した端末でなくても解除出来るところがポイントです。
- 購入後180日経過していること
- オンライン / 店頭にて手続き可能
- 手数料:オンラインは無料、店頭は3,000円(税抜)
- 店頭での手続きのみ、本人の購入履歴の有無に関わらず解除が可能(オークションや中古端末でもOK)
2015年5月以降、つまり法により義務化された以降に購入した端末においてはSIMロックを解除できます。またオンラインでは手数料の3000円すら掛かりません。
ソフトバンク
ソフトバンクでは、一部の機種について以前よりSIMロック解除を実施していました。それらの対象機種であれば、2015年5月以前に発売された端末でも解除が可能です。
またau同様、店頭手続き(手数料が必要)であればオークションで購入した端末などでも解除できるのもポイントです。
その1 / 一部の2015年4月迄に発売された機種
- 購入後、即時SIMロック解除が可能
- 店頭での手続きのみ
- 手数料:3,000円(税抜)
- 対応機種については、ソフトバンク WEBページを参照してください
その2 / 2015年5月以降に発売された機種
- 購入後180日経過していること
- オンライン / 店頭にて手続き可能
- 手数料:オンラインは無料、店頭は3,000円(税抜)
- 店頭での手続きのみ、本人の購入履歴の有無に関わらず解除が可能(オークションや中古端末でもOK)
ソフトバンクもオンラインによるSIMロックの解除は手数料がかかりません。
焦らないで!本当にSIMロック解除、必要ですか?
どのキャリアも多少の違いはあるものの、対応機種で半年待てばSIMロックの解除が可能です。
しかし、本当に解除する必要がありますか?
解除の理由が格安SIMを利用したいという人
格安SIMを利用するために、手持ちの端末のSIMロックを解除したいという人は多いと思います。しかし、もしも現在ドコモのスマホを利用しているのであれば、解除の必要は無い可能性が高いです。
ほとんどの格安SIMはドコモ回線を利用しています。なのでドコモ回線を利用しているSIMであれば、SIMロックの解除をしなくてもそのままの状態で利用できるのです。
au 回線を利用している格安SIMも数は少ないものの存在するので、SIMロック解除無しで利用することができます。ソフトバンクの場合は、そのまま使える格安SIMは無いため、解除が必要となります。
逆にSIMロック解除が必要となる人
別の大手キャリアに乗り換えたい場合
- ドコモ→ソフトバンク
- ソフトバンク→au
- au→ドコモ など
2年の縛りが無くなった後に、同じ端末で別のキャリアに乗り換える場合がコレに該当します。これだと端末の料金が全くかからないので、比較的安くで乗り換えが可能です。
海外で現地のSIMカードを挿入して使いたい場合
そもそもSIMロックが行われているのは日本くらいのもので、海外の標準はSIMフリーです。そして海外でスマホを使いたいという場合は現地のSIMカードを使う必要があります。
この時にその端末にSIMロックが掛かっていると、現地のSIMカードを利用できません・・・。
SIMロック解除によって出来なくなることも
SIMロック解除後も引き続き同じ契約のまま利用することは可能です。解除後、他の大手キャリアや格安SIMに乗り換える場合は注意が必要です。
今まで使っていた携帯アドレス(@docomo.ne.jpなどのキャリアメール)が利用出来なくなったり、キャリア独自のアプリやサービスなども当然使えなくなります。
また、他社SIMではテザリング(Wi-Fi発信)が出来ないこともあります。現在の自分の利用状況や通信料などをしっかりと把握してトータルで判断しましょう。
▶︎▶︎参考記事:自分がどれくらいデータを使っているのか確認する方法
まとめ:SIMロック解除により端末を買わなくてオッケーに
これまで他社に乗り換えるときには端末も新しくするということが当然だったので、SIMロック解除の義務化は日本の携帯(スマホ)業界にとって大きな変化ですよね。
今まで「出来ない、仕方ない」と思っていた他社への乗り換えや、通信料の軽減が可能になるかもしれません!
またSIMロックの解除により相性が良くなるのは、もちろんMVNO(格安SIM)の方です。あのね、今の時代スマホ代に毎月1万円とか払ってたらヤバいよ?高過ぎる!
時代は月々1000円でスマホを使うんですよ。とりあえず下記をご覧下さい。
▶︎▶︎参考記事:月1000円代でスマホを持つ方法とおすすめSIM一覧
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