
格安SIMを提供している多くのMVNO(格安SIM)は、NTTドコモ系の回線を利用しています。そしてまだ3社(10月頃から4社へ)と少ないですが、au系の回線を利用しているMVNOもあります。
あれ?MNOと呼ばれる大手キャリアは、ドコモ、au、ソフトバンクの3つでは?と、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
そうなんです。
なぜかソフトバンクの回線を利用しているMVNOはほとんどありません。(重要:またソフトバンクのSIMロックが掛かったスマホをソフトバンク回線を借りて運用している格安SIMで利用することはできません)
こんなにも格安SIMが普及してきているのに、なぜソフトバンク回線を使ったMVNOはなかなか登場しないのでしょうか。
ソフトバンク回線利用の格安SIMがほぼ無い理由
なぜソフトバンク回線を使った格安SIMがほとんど無いのか・・・誰もがこう疑問に思うところです。
その理由として「ソフトバンクの回線利用料が高い」という事が挙げられます。
例えば、2015年の各社の回線利用料金を見てみましょう。
- NTTドコモ 約94万円
- au 約116万円
- ソフトバンク 約351万円
このように他の会社と比べて、ソフトバンクの回線は2~3倍の回線利用料が掛かっていました。
そのため安い金額で私たちユーザーに回線を提供するMVNOは、ソフトバンクから回線を借りることが難しくなっていました。
じゃあ、これからもソフトバンク回線を使ったMVNOは出てこないの?・・・なんて、ソフトバンクユーザーはガッカリですよね。
でも諦めるのはまだ早いですよ。
実はこの回線利用料金が2016年に改定されたのです!
では2016年、各社の回線利用料金を見てみましょう。
- NTTドコモ 約78万円
- au 約96万円
- ソフトバンク 約116万円
他の2社も価格改定されて下がっていますが、依然と比べると断然ソフトバンクも安くなっていますよね。
以前なら2~3倍だった金額が、それほど大きな差が無いくらいまでになりました。
こうなってくるとソフトバンクの回線を借りたい!というMVNOが出てくるはずです。
もちろんこれ以外の他の条件などもありますが、金額の面で言うとソフトバンク回線の格安SIMの普及にかなり近付いたのではないでしょうか。
ソフトバンク回線を使った2社のMVNO
冒頭で「ソフトバンク回線を使ったMVNOがほとんど無い」と言いましたよね。
実は全く無い!のではなく、「ほとんど無い」と言ったのには、ちゃんとした理由があります。
なんとソフトバンク回線を使った格安SIMが発表されていたのです。
まず一つ目が、飛騨高山ケーブルネットワークが提供する「Hitスマホ」。そしてもう一つがU-NEXTが提供する「U-mobile SUPER」です。
現在のところ、この2つがソフトバンク回線を使った格安SIMと提供しているという事になります。
ただし注意してほしいのが、au系回線を使った格安SIMであれば、auからのSIMロックが掛かったスマホを利用することができましたよね?
ただ、ソフトバンク回線の場合は少し特殊であり、これを行うことはできません。
なので今現在ソフトバンクユーザーの人は、やはり一度SIMロックを解除した後に下記今から紹介する格安SIMと契約する必要があります。
ではそれぞれのサービスを詳しく見ていきましょう。
飛騨高山ケーブルネットワークが提供する「Hitスマホ」とは
まず気になるのが、その料金プランです。
Hitスマホが提供する格安SIMは全て音声通話機能付きになっており、飛騨高山ケーブルネットワーク加入者は通常料金よりも安く契約できます。下記をご覧ください。
料金プラン
- 追加データ料金 100MB 200円
- 解約違約金 10000円(最低利用期間12か月。契約から12か月以内に解約すると発生)
事務手数料
- 契約事務手数料 3000円
- USIMカード再発行手数料 3000円
- MNP転出手数料 3000円
- 解約手数料 2000円
オプションサービス(月額)
- 留守番電話プラス 300円
- 割り込み電話 200円
- グループ通話 200円
- ナンバーブロック 100円
Hitスマホの内容はこんな感じですね。
同時に格安スマホも販売しており、arrows M03(富士通)、SAMURAI Miyabi(プラスワン・マーケティング)、Priori3LTE(プラスワン・マーケティング)の3機種があります。
どの機種も24回分割払いが選べるので、初めに機種代が用意できない・・・、と言う方でも安心して購入する事が出来ますね。
U-NEXTが提供する格安SIM「U-mobile SUPER」とは
U-NEXTはU-mobileというドコモ回線を利用した格安SIMを提供していました。
そこからついに、ソフトバンク回線を使った格安SIMも提供され始めたということです。
料金プラン
このような料金になっています。こちらも音声通話機能付きSIMのみでデータ専用SIMはありません。
通話料は、かけ放題で10分以内の通話であれば300回まで無料となっていますが、10分を超える会話や300回以上を超えると、30秒21円の通話料金が発生するようになっています。
・・・あれ?この料金プランどこかで見たことない?
あなたも「あれ?見たことがあるぞ」と思いませんでしたか?
そう、この料金プランはY!mobileの料金プランと全く同じなのです。
▶︎▶︎参考記事:通話機能に特化したSIM『Y!mobile』は高いのか?
U-mobile SUPERはY!mobile系の格安SIM?
実は、U-mobile SUPERの回線はY!mobileのを使っているのです。
『え?ソフトバンク回線だって行っていたじゃん!』なんて怒りの声が聞こえてきそうですが、安心してください。
Y!mobileは独自の回線を持っているので、ドコモやau、ソフトバンクなどと同じMNO扱いとなります。しかし、実際はソフトバンクに吸収されたソフトバンク傘下の通信会社なのです。
つまり、独自の回線を持ってはいるが、その利用可能地域などはソフトバンクと全く同じということ結末に。
また、使えるスマホ端末はY!mobileのものをそのまま利用可能は当然ですが、ソフトバンクで契約したスマホに関してはSIMフリーのものでないと使うことができません。(←ここ大事)
つまりU-mobile SUPERは、ソフトバンク系の格安SIMと言う認識ではなく、ソフトバンク回線を使ったY!mobile系の格安SIM、と言った方が正しいかもしれませんね。
まぁ利用可能地域は同じなので、今までソフトバンクを利用してきた人には使いやすい格安SIMでしょう。
まとめ:SIMロックは外すこと!
今までソフトバンク回線を使った格安SIMが少なかったのは、その回線利用料金が高いことによるものでした。
もちろんそれだけが原因ではありませんが、その料金が引き下げられたことによって参入してくるMVNOは増えてくると予想されます。
*重要*
現在はご紹介した「Hitスマホ」と「U-mobile SUPER」のみですが、どちらもソフトバンクのSIMロックが掛かったスマホ端末で利用することは出来ません。そこが少し残念なポイントです。
しかし今後、他のMVNOが参入してくることによって、SIMロックが掛かったソフトバンク端末もそのまま使えるようになる可能性もあります!それに期待しましょう。
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