
docomo回線の格安SIMで、今どんどん勢力を伸ばしているFREETEL(フリーテル)。
ヨドバシカメラやビックカメラなど、大型の家電量販店で端末やSIMカードがたくさん販売されていますよね。
特徴として挙げられるのは『通信速度が速い』こと。これはFREETEL自身がウリにしているポイントでしょう。
しかし、ネット上ではこんな噂が立っていることをご存知ですか?
「FREETELは、スピードテストと実際の通信速度に差がある」と。
これが本当なら大変なことですよね。
通信速度は格安SIMを決める上での非常に大きいポイントです。それがまさかのスピードテストの数値のみが良く、実際の通信速度は遅いという・・そんな裏切り・・アリ?
この点、気になりませんか?
私翔太は一格安SIMアドバイザーとして非常に興味があります。夜も眠れます。
ってことで、実際に今回FREETELを契約して1週間ほどじっくりと活用してみました。
・・・・っで、さっそく結論から言わせてください。
黒でした。うん、黒。
FREETEL SIMの「スピードテスト詐欺」ですが、コレはガチです。
そして、これ以外にも怪しいところがあります。
FREETEL SIMはどんな格安SIMなのか、気になっている方は続きを読み進めてみてください。
初期費用が299円の全プラン対応パックを申込み
まぁ、焦るな!通信速度の詐欺疑惑に関しては後半部分でたんまり書きます。
まずはFREETELの契約段階から深く紹介するので、ゆっくり読み進めてください。
FREETELはSIMパッケージをネット販売しているものの、特別、初期費用が安くなることはありませんでした。(ネットでのパッケージ販売は一般的に安くなっている)
しかし、最近299円ですべてのプランを契約できる専用パッケージ「フリーテル全プラン対応パック」を販売開始されたみたいで。
今回は、このパックを使い、FREETEL SIMを申し込みました。
ヨドバシカメラの通販サイトから購入し、エントリーコードを使ってFREETEL公式サイトにて申し込んだのです。
すると翌日にはSIMが届いたので、これは大した早さですよね。
同時期にmineoのSIMも契約したのですが、コチラは届くまでに数日かかりました。
なのでこの点、FREETELは褒められるのではないでしょうか。
データSIMの使った分だけ安心プラン
今回申込んだのは、月額料金が299円からになる最も安いデータプランの「使った分だけ安心プラン」です。
nanoSIMを契約し、iPad mini4のdocomo版で利用しました。
届いたクロネコヤマトのパッケージ内には、設定方法を説明した書類と店頭でも販売されているデータSIMのパッケージそのものが封入されていました。
iPadで使用するので、今回はiPhone専用SIMカードを選んでいます。これを使うことで、AppStoreの通信量がカウントされないとのこと。
使う機会はほぼありませんが、せっかくなのでコレにしました。
さて、FREETEL SIMの使用状況をレビュー
混雑していなければ”かなり高速”で快適な格安SIM
まず私の普段の生活における、FREETEL SIMの使用状況から説明します。
今後単体でレビューする予定もあるiPad mini4のdocomoモデル。(▶︎iPad mini4のdocomoモデルのレビューは既に公開されています。気になる方どうぞ!)
こちらをリュックに入れたまま持ち歩いており、喫茶店等で仕事の息抜きとしてネットやアプリを使うのにFREETEL SIMを使いました。
主に利用する時間帯は朝9時~11時頃や昼の14~16時で、ちょうど格安SIMは混雑しない時間帯となります。
結果、このような混在しない時間帯だと、FREETEL SIMはかなり快適と言えました。それも、殆ど固定回線と変わらないような体感速度で利用可能です。
しかし、私の場合は良いものの、学生や会社員の方はおそらくこんな時間に通信しませんよね。
そしてこのような時間帯は、他の格安SIMも当然高速です。なのでFREETEL SIMが優れているとはまだ判断できません。
混雑時、いきなり通信速度が激遅になる
FREETEL SIMの混雑時間はそれほど長くありません。しかし混雑しているタイミングで偶然通信を行ったら、明らかに速度が低下していることがわかります。
私がしばらく調査した結果としては、12時~13時と18~19時30分頃が一番繋がりにくく、FREETEL SIMの混雑する時間帯と言えるでしょう。
なので昼休憩や家に帰ってくる頃に該当するため、学生や会社員の方にとってかなり厳しい時間帯です。
これらの時間以外なら基本的にかなり快適なのですが、お昼や夕方に通信すると1つのページをブラウザで開くのにも1分近くかかります。
体感的には、IIJmioやmineoの回線が混雑した時の通信速度よりも随分遅く感じられました。
本題!体感速度とスピードテストの結果が一致しない
さて、ここからが本題です。
単に速度が遅いだけなら「この格安SIMは遅いので契約しない方が無難ですね、チャンチャン」っで終わるのですが、スピードテストの結果と一致しないなら話は別。
もう言ってしまいますが、私が何回か調査した限り、FREETELのスピードテストは明らかにインチキです。
ちなみにFREETELの他にも『楽天モバイル』がそれに該当します。その他の格安SIMでは、そのような事を発見することはありませんでした。
▶︎▶︎参考記事:楽天モバイルの体感速度がクソ過ぎたのでレビューします
まぁ、見てください。
これらの結果は、全てFREETEL SIMのスピードテスト結果です。
異常なことに気づくのではないでしょうか。ほとんど通常の格安SIMなら速度が低下する時間帯に計測しているのに、10Mbps以下になることがありません。
唯一スピードテストで下り5Mbps以下になったのは、一番上の12時30分の計測結果。この時間帯は明らかに回線が混雑しており、体感速度的には1Mbps出ていませんでした。
それでも4.25Mbpsという、ブラウザの閲覧程度であれば快適にこなせる通信速度です。
しかし先ほど言いました通り、この時間帯は通信混雑時であり、快適にネットをできるような感じではありませんでした。1ページごとに1分以上かかっていた程です。
この事からも分かる通り、FREETEL SIMのスピードテスト結果は全くあてになりません。
10月27日の19時12分も、ブラウザのサイトの読み込みに30秒以上かかった直後に計測した結果が下り14.92Mbps。コレは嘘としか言いようがありませんよね。はははっ
ちなみに、アプリから切り替えられる低速モードも明らかに200kbpsより遅いと思われます。
使用用途やアプリを分けて実際に計測
体感速度だけでなく、実際にスピードテストアプリを通さない場合の通信速度を測ってみました。
計測時刻は格安SIMで一番混雑する、平日の昼12時頃。計測機種はNexus 6Pです。
スピードテスト、ブラウザ、アプリダウンロード、YouTubeの種類ごとに計測しました。
今回は計測方法が多岐にわたり精密な計測方法ではありません。約○○kbps~○○kbpsといった少し曖昧な表記になりますが、ご了承下さい。
下記は全て下り、ダウンロードの通信速度での話です。
スピードテスト
まずは基準となるスピードテストの結果です。
一般的な格安SIMであれば、1Mbps以下になることが多い平日12時です。しかしスピード結果はご覧の通り非常に速い通信速度となります。
この結果だけを見れば非常に優秀な速度ですよね。
ブラウザ
平均して約500kbps~1Mbpsとなり、どれだけ軽いサイトであろうと10Mbpsどころか、2Mbps以上の通信速度が出ることはありませんでした。
つまり、スピードテストの結果はブラウザ使用時の実際の通信速度の10~20倍ということになります。
最低でも500kbpsで、ほぼ1Mbps近く出ているため、体感では不満が出るような速度ではないものの、読み込みには多少時間がかかっています。
画像の多いサイトではかなり時間がかかりました。
BNRスピードテスト(ブラウザ上)
ブラウザの計測で使用したのと同じブラウザを使い、専用アプリなしのBNRスピードテストの画像読み込み版にて計測しました。
通常ならばブラウザの計測結果と同じ通信速度になるはずですが、下りは約5Mbps程度となり、実際には5~10倍以上の差があります。
アプリダウンロード
平均して約500kbpsで、1Mbps以上になることはありませんでした。
通信速度が遅く、数MB以上が当たり前のアプリのダウンロードではかなり時間がかかります。
YouTube動画
平均して約300kbps~500kbps。こちらも1Mbps以上になることはありませんでした。
画質によっては読み込み待ちが発生する程であり、とても「快適」とは言えません。ただ、今回に関しては途中で途切れることなく動画を視聴することができました。
これにはiOSのある機能が関わっているのですが、それは後ほど。
見て分かる通り、明らかにスピードテストのみ通信速度が速い
以上の通り、スピードテストのみ異常に通信速度が速くなっています。
FREETELはスピードテストブーストはしていないと発表していますが、同じブラウザを使用していてもスピードテストの時のみ通信速度が大幅に速くなり、回線の負荷が大きいアプリのダウンロードやYouTubeなどでは極端に通信速度が遅くなっています。
過去にも一部の大手通信事業者が同様にYouTubeのみ速度を落としているケースがありましたが、最近ではあまり見かけません。
特に、ここまで明らかにスピードテスト以外の通信速度全てを落としているケース、いわゆるスピードテストブーストをしているのは珍しいのではないでしょうか。
FREETELの行っている通信速度の調整は、ネットワーク回線全体の安定性を保つための規制ではなく、明らかにスピードテストの結果のみを良く見せるためのスピードテストブーストであり、ユーザーを裏切る行為です。
とても褒められたものではありません!
iPadやiPhoneの場合、YouTube動画の画質は混雑時に下がる
先ほど言ったiOSのある機能についてのお話です。今回の動画視聴時、回線が混雑する時間ながらもYouTube動画を途切れずに視聴することができました。
コレにはちょっとした理由があり、iOSではYouTubeアプリの動画画質を自動で通信速度に合わせて低下するようになっています。なので通信速度が遅い分、画質を低下して再生されたんですね。
事実、その時の動画では明らかに標準の480pではなく144~240pにまで画質が落ちていました。ちなみに混雑していない時間帯だと、480pで再生できていたので間違いありません。
つまり、画質低下から見てもFREETELの通信速度はスピードテストと同等の速さが出ていないことがわかります。
アプリは使いやすかった
通信速度以外のことも書いておきましょう。
まずFREETEL SIMのアプリですが、必要最低限の内容でシンプルに纏まっていました。
シンプルすぎるとも思えますが、現時点での通信量や節約モードへの切り替え機能、支払額が全てまとまって一つの画面で見られるので、初心者に分かりやすいはず。
そしてこの画面をよく見てください。FREETELの使った分だけ安心プランの1GBまでの利用料金は499円のはずなのに、967円と記載されていますよね。
実はこれには、ある理由がありました。
またココからちょっとした注意点を!
「docomoSIM発行料」である394円(税抜)が初期費用に上乗せ
今回私が契約したのは「使った分だけ安心プラン」という従量制のものであり、その月に使ったデータ通信量分をお支払いすることになります。
コチラがFREETEL公式サイトに載っている『使った分だけ安心プラン』の料金表です。
私がこの月に使ったのは630MBなので、左から2つ目の「〜1GB」に該当します。また契約したのはデータ専用SIMです。つまり、一番上の499円がお支払い額となるはずです。
ただしコチラは税抜なので499×1.08=税入り539円。
この分がこの月のお支払い額となるはずなのですが・・。なぜでしょうか、私のスマホには967円の文字が写っています。おかしーなぁ。
これ、実はね。
docomoSIM発行料というものが加算されており、それが394円(税抜)もするのです。
なんだそれぇぇええ!
って思いますよね。私も思いました。
私は過去にも一度、FREETEL SIMを契約していたことがあるのですが、その時は確実にこんなものはありませんでした。ってことは最近出てきたものです。
調べてみたところ。10月1日から、どのプランでも必ずこのdocomoSIM発行料が請求されるようになったとのこと。ふーん・・。
いや、手数料とかは別にいいんですよ。どこでもそういうやり方はあるので。
ただね、何か姑息なんですよ。というのもですね、ちょうどこの時期からFREETELの初期費用が3000円から299円に値下げされました。
値下げされたこと自体は素晴らしいのですが、それと共にこのdocomoSIM発行料というワケの分からない手数料が発生したのです。
また初期費用の値下げは期間限定のものであり、公式サイトでも予告無く終了することがあると書かれています。
なんか上っ面の額面だけ下げて裏から取ろうとするこの感じ。
嫌ですね〜。うんうん。
まぁ、ただdocomoSIM発行料は小額であり、初期費用の値下げ額の方が圧倒的に大きいので、今契約するとお得なのは変わりありません。
なので、どうしてもって言うならどうぞ!
まとめ:悪くはないが、FREETELを信用できない
こんだけ言っておいて何ですが。
FREETEL SIM全体を通して言えば、十分快適な格安SIMだと思っています。おそらく他のIIJmio等と比較しても、通信速度は速い部類に入るでしょう。
しかし、スピードテスト詐欺や姑息な手数料(docomoSIM発行料)を認めるわけにはいけないし、そういった部分からFREETELを使うのは正直嫌になりますね。
正直にスピードテスト結果を表示したらいいじゃないですか。昼や夕方に通信速度が落ちることなんて、格安SIMであれば普通です。皆んな納得するでしょう。
そこをカッコつけて速く見せるんだからなぁ・・うーん。
docomoSIM発行料も、こんなものをこっそり請求するくらいなら、普通に初期費用に加えて請求してほしいです。
知らない顔をしてユーザーを騙そうとする姿勢が目に余りますよ・・。
格安SIMやSIMフリースマホの普及に向けて頑張っていることが伺えるFREETELですが、スピードテスト詐欺をやっていれば、それも一気に台無しです。
今後、良い方向へ向かっていってほしいものの。何食わぬ顔でしれっとサービスを改悪していく可能性も多いにあります。
なので今のところFREETEL SIMはおすすめできませんし、読者の皆さんは冷静なご判断をしてくださいね。
ではでは。
そんなにFREETEL好きじゃないので擁護するつもりはありませんが、、
スピードテストサイトと下記測定結果との比較で結論を出されていましたが
測定時の下記条件が一致していないため、今回の検証が意味をなしていない可能性があると思います。
1. 測定対象
2. 測定時の速度の定義
1.
ookla等よくあるスピードテストは、とても大きなサイズのデータの通信を少ない回数行っています。
一方、「Web」に関しては、テキストや小さな画像が多いので、小さなサイズの通信を何度も行います。「YouTube」に関しては、バッファなどに応じて通信量をYouTube側で制御している可能性もあります。
通信の方法による速度の差異は十分あり得ます。
2.
測定に使用されたツールで出てくる値も、どれくらいの時間で平均するかで大きく結果がかわります。
(雰囲気として、スピテス側は「平均値」、WebとYouTubeでは「瞬時値」になるかと思います。)
ということで、同一条件で測定した、(まともらしい)他社との比較を入れていただければより良くなるかなと感じました。
この記事に辿り着く前に僕も同じ結果を得ていたので共有させてください。
場所は青物横丁、品川駅、大井町駅等で計測しています。
ooklaのスピードテストやUSen等のベンチマークテストした時と、その他一般サイトの表示速度が妙に体感差があることに気づいて、おかしいと思い以下のベンチマークを取ってみたところはっきりしました。
ookla:15~17Mbps
Usen : 7~9Mbps
AWS: 300Kbps ~ 400Kbps
DigitalOcean: 300Kbps ~ 400Kbps
AWSとDigitalOceanは自前サーバーで、基本的に数MBのファイルをやり取りすると言った計測方法です。
“mith”さんが大きなファイルと過程しているのであれば、同じ条件下ということになります。
AWSとDigitalOceanはサーバー側の通信インフラはとんでもなく大きいものになりますので、サーバー帯域がボトルネックでかつ同じ数値で通信速度が固定されるとは考えにくく、一般家庭のネットワークに切り替えて計測すると上記のようにOoklaやUsen、AWS、DigitalOceanに極端に差が生じるということはありません。
この結果が意味するところは特定のベンチマークサイトのみ通信インフラの疎通を良くするといった細工が高い確立でなされているということです。