
今回は格安SIM「U-mobile S」の紹介です。
しかも世にも珍しい、ソフトバンク回線の格安SIMですよ!
ソフトバンクは自分でY!mobile(ワイモバイル)を運営しているので、格安SIMに対してこれ以上ないくらい消極的です。
しかし裏で色々あったようで、3月に「b-mobile 開幕SIM」と今回紹介する「U-mobile S」が登場する運びとなりました。
U-mobile Sと開幕SIMはどちらもiPhoneやiPad向けの格安SIMで、データSIMのみの提供となっていることが特徴です。
今回はソフトバンク回線の格安SIM・U-mobile Sの魅力に迫ります。
先に言っておきますと、かなり人を選ぶ格安SIMです。
しかし用途が合えば、ぼちぼち使える存在だと感じました。用途は限られてきますが…。
U-mobile Sってどんな格安SIM?
というわけで、U-mobile Sの概要から説明していきますね。
いや~、なかなか癖の強い格安SIMです。良くも悪くも。
ソフトバンクのiPhoneやiPadでデータ通信ができる
U-mobile Sを契約すると、ソフトバンクのSIMロックがかかっているiPhoneやiPadでデータ通信ができるようになります。
できるようになるのは、あくまで「データ通信」、つまりネットのみです。音声通話やSMSはできません。
公式サイトでもこの通り、完全に「2台持ち用」として割り切って使うことが想定されています。
ソフトバンクからU-mobile Sに乗り換える、ということはできないのでご注意を。
じゃあ2台目のスマホとしてどんな使い方があるのか。
それについては少し後に解説していきますね。
対応端末はソフトバンクのSIMロックがかかった、LTE対応のiPhoneやiPad
U-mobile Sを使えるのは、ソフトバンクのSIMロックがかかっているiPhoneやiPad。
調べてみるとAndroid端末でもAPN設定をすればU-mobile Sを使えるとしているサイトも色々見つかりますが、一応Androidでは使えない決まりです。
そして公式サイトにはiPhoneは5以降という記載があるので、基本的にはiPhone 4sまでの3GiPhoneに対応していないと考えられますね。
今から4s以前の機種を使いこなすのって無理があるので、とくにLTEモデル用であることで株が下がったりはしません。
でもせっかくiPhone 3Gの頃からiPhoneを販売しているソフトバンクの回線なので、4s以前に対応していないのはちょっと寂しいですね。
今3Gや3GSで通信・通話ができたら面白いじゃないですか。
U-mobile Sの料金プランはやや高め
料金プランはこの通りです。データSIMだけなこともあって、シンプルですね。
1GB |
880円 |
3GB |
1,580円 |
7GB |
2,980円 |
30GB |
4,980円 |
非常にコメントしづらい料金体系です。
はっきり言って、別に安くはないです。
もちろんソフトバンク本家で音声SIMを契約するよりは安いですが、他の格安SIMと比べてしまうとね…。
例えばU-mobile Sは3GBで1,580円という料金設定ですが、「データSIM」でこの金額。
楽天モバイルなら、ほぼ同じ3.1GBのデータSIMが月額900円です。
楽天モバイルにおける3.1GBの音声SIMなら月額1,600円なので、U-mobile Sの3GBプランは他社の音声SIM3GBプランと同程度の月額料金ということになります。
「安さ」を重視するなら他社を選ぶべき。
しかし「ソフトバンクの余っているiPhoneやiPadを使いたい」なら、選択肢はU-mobile Sと開幕SIMしかないので選択せざるを得ないといったところでしょう。
余談ですが…。
手持ちの端末を絶対に再利用したいなら今回のU-mobile Sを検討するのもアリですが。
一旦中古ショップに手持ちのソフトバンクiPhoneやiPadを売ってから、docomo・auのiPhone・iPadを買い直して格安SIM運用する、というのも手です。
auの中古iPhoneなんて、6sやSE、7ならSIMロックも解除できちゃいますよ。
SIMフリーのiPhoneは、どの格安SIMでも使える最強の存在です。
月額料金もチリも積もれば山となりますし、ここはじっくり考えてみてください。
最低利用期間はないので、いつでも解約できる
U-mobile Sには、最低利用期間がありません。データSIMなので、当然と言えば当然ですね。
いつでも解約できるので、不要になったらやめられるのはメリットです。
テザリングできない
これさえできればiPhoneやiPadをモバイルルーター代わりにできて良かったんですが…。
U-mobile SをiPhoneやiPadに入れても、テザリングはできません。
テザリングでパソコンやタブレットなどをネットに繋げたいなら、他の格安SIMを選びましょう。
注意:iPhone 6s以降のiPhoneは、契約者本人ならSIMロック解除して他社で使える
今持っている(手元にある)ソフトバンクiPhoneがiPhone 6以前の機種なら、U-mobile Sを契約して再利用するのはアリです。
しかし現在iPhone 6sやSE、そして7をソフトバンクで契約中ならちょっと待ってください!
これらはSIMロックを解除して、普通に格安SIMで使えます!
ソフトバンクのマイページやソフトバンクショップからSIMロックを解除すれば、SIMフリーのiPhoneになります。
SIMフリーiPhoneは、楽天モバイルやLINEモバイル、Y!mobileなど色々な格安SIMで使えるんですよ。
「ソフトバンク回線の格安SIMがデータSIMしかないなら、ソフトバンクから乗り換えられないじゃん」とがっかりした人。
この場合は手持ちのiPhoneがSIMロック解除に対応しているなら、解除して格安SIMに乗り換えちゃいましょう。
U-mobile Sの活用方法を考えてみた!
- 微妙に月額料金が高い
- 使える端末がだいぶ限られる
- テザリング不可
こんな感じでけっこうイマイチにも思えるU-mobile Sですが、使い方によっては「アリ」です。
U-mobile Sはどんな人におすすめなのか考えてみたので、参考にしてみてください。
子供にポケモンGOなどのゲーム用・LINE用として持たせる
データ通信についてはU-mobile Sでも普通にできます。
子供にゲーム機代わりとしてお下がりのソフトバンクiPhoneを持たせるなら、U-mobile Sもアリでしょう。
例えばポケモンGOはプレイにあたって通信環境が必要になるので、iPhoneにSIMカードが入っていないと遊べません。
ソフトバンクのiPhoneを子供に持たせる場合、U-mobile Sを契約すれば端末を買い直したりしなくてもOKです。
またLINEを登録して、習い事から帰るときの連絡用などに使ってみるのも良いでしょう。
iPadは元々SMSも通話もできないので、U-mobile SでもOK
データSIMしか提供されていないのはガッカリなU-mobile Sですが、iPadで利用するなら大丈夫でしょう。
元々通話もSMSもできませんし。
手元にソフトバンクで購入したiPadが余っていて、追加費用などをむやみにかけずに復活させたいなら、U-mobile Sを選んでもOKですね。
動画再生などに古いiPadを再利用したいなら、検討してみてはどうでしょうか。
U-mobile S以外の選択肢・b-mobileの開幕SIM
U-mobile Sは業界初のソフトバンク回線系格安SIMと謳われています。
しかしU-mobile Sと同時に、b-mobileでソフトバンク回線の「開幕SIM」も登場しています。
開幕SIMの料金体系は、U-mobile Sと同じでした。
以前レビューしているので、こちらの記事も参考にしてみてください。
>>参考記事:ソフトバンクの格安SIMが登場!開幕SIMを契約し、通信速度を調べてみた
「2種類あるならどっちを選べばいいの?」と思ったかもしれません。
はっきり言って、どっちでも同じです。
料金プランも内容も同じなので、好きな方を選んでください。
ソフトバンクからの乗り換えに最適な格安SIMはどれ?
キャリアのSIMロックがかかったiPhoneはU-mobile Sなどで再利用できるとして、ソフトバンクから他社に乗り換えるならどこに乗り換えるべきか。
気になりますよね。
特に手元にあるソフトバンク端末がSIMロック済みで、解除も難しい場合は乗り換え先を探すのが大変でしょう。
ここからは、ソフトバンクからの乗り換えに私的な格安SIMについて解説していきます。
今回選ぶにあたって重視したのは、端末購入費用を抑えられるかどうかです。
ここから紹介していく格安SIMは、いずれも新しいスマホの購入費用を安く抑えられますよ。
SIMフリースマホを安く購入できるのは楽天モバイル
楽天モバイルはレビューするたびに「速度が微妙」と言ってしまっていますが…。
>>参考記事:楽天モバイルでスピードテストを行ってみた!
ソフトバンクからの乗り換え先としては、アリだと感じました。
その理由は、「SIMフリースマホが安く買えるから」です。
楽天モバイルでは365日、常に何らかのスマホが安売りされています。
1年契約の通話SIMとセット購入するのが、セール販売の基本的な条件です。
重要なのは、「楽天モバイルは1年契約を続ければあとはいつ解約しても違約金はかからない」ことです。
つまり端末を安く購入する代わりに1年間は速度を我慢して、最低利用期間を過ぎたら他社に移ってしまえばいいんですよ。
あるいはnovaやZenfone 3のような「デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)」対応端末を楽天モバイルでセール購入し、2枚のSIMで運用する手もあります。
>>参考記事:ファーウェイのnovaを購入して、メインスマホとして使ってみたけどやはり良かった
>>参考記事:Zenfone3を購入したので使い心地をレビュー!arrows M03とも徹底比較したよ
DSDSに対応した端末では2枚のSIMカードを本体に入れて、通話用のSIMとデータ通信(ネット)用のSIMを別々にできます。
要するに混雑時の速度がアレな楽天モバイルは通話のみに利用して、ネットはLINEモバイルなどをデータSIMで契約し、そっちで行うという手があるわけです。
低速通信のみのベーシックプランで契約すれば、楽天モバイルの通話SIMの維持費は月額1,250円にまで抑えられます。
他社のデータSIMを別に追加契約しても、毎月のスマホ代は十分安く抑えられるでしょう。
ちょっと環境を構成するのは面倒ですが、2枚のSIMを契約してDSDS対応スマホで役割分担する方法を検討してみても良いですね。
Y!mobile(ワイモバイル)は10分かけ放題とiPhoneの販売が魅力
2017年、絶好調のY!mobile(ワイモバイル)。
Y!mobileは端末を月額割引つきでセット購入できるのが強みです。
ソフトバンクでずっとiPhoneを使っていた人には、Y!mobileでiPhone SEを購入できるのも嬉しいですね。
例えば5sからSEに乗り換えるなら、画面サイズはそのままでより性能が高いiPhoneに乗り換えられるわけです。
そしてY!mobileは、スマホプランを契約すると10分かけ放題が自動で適用されます。
キャリアや続いて紹介するUQ mobileのおしゃべりプランよりも長い10分間のかけ放題が使えるのは、大きなメリットですね。
またY!mobileはソフトバンクが運営していることもあり、エリアがソフトバンクと同じです。
速度も高速で安定しているので、ソフトバンクからの乗り換えなら今までと変わらない使用感なのが便利ですよ。
キャリアメールも無料で使えて、至れり尽くせりな格安SIMがY!mobileです。
>>参考記事:【2017年7月】Y!mobile(ワイモバイル)を再び契約して、速度をUQ mobileと比較してみた【レビュー】
UQ mobile(UQモバイル)ならSIMフリースマホを実質100円などで入手できる
Y!mobileに次いで勢いがあるUQ mobile(UQモバイル)。
UQ mobileもiPhone SEをセット購入できますし、さらにAndroidのSIMフリースマホについては実質100円などの安さで買える場合もあります。
2年契約のぴったりプランやおしゃべりプランを契約するのが端末割引の条件なので、2年間使う予定の人におすすめです。
UQ mobileはY!mobileと同様に、通信速度が安定しているのもポイントですね。キャリアからの乗り換えでも、戸惑う場面は少なくなるでしょう。
>>参考記事:【2017年7月】UQ mobile(UQモバイル)でSIMカードを借りて、スピードテストしてみた!
中古のスマホとmineo(マイネオ)を組み合わせる
最後に紹介するのは、docomo回線のDプランとau回線のAプランを選んで契約できるmineoです。
>>参考記事:mineoAプランでスピードテストをしてみた!通信速度結果はこちら
>>参考記事:SIMフリーのおサイフケータイ対応スマホ『arrows M03』をmineoで契約してみた!
mineoは2種類の回線を使えるので、利用できる端末の数も非常に多くなっています。
- docomo端末(Dプラン)
- auの、VoLTE対応4G端末(AプランをマルチSIMで契約)
- auのVoLTE非対応4G端末(Aプランを標準SIMで契約)
- SIMフリー端末(ソフトバンクでSIMロックを解除した端末も含まれる)
この通り、日本で販売されているスマホの多くをmineoで使えるんです。
動作確認が行われている端末も豊富で、安心して中古端末を購入できるのがmineoの魅力です。
ゲオなどで中古のスマホを安く購入してきて使うなら、mineoを選ぶのも良いでしょう。
ちなみにmineoではSIMフリースマホをセット購入することもできます。
mineo限定カラーが用意されていることもあるので、合わせてチェックしてみてください。
>>参考記事:おサイフや防水搭載の、arrows M04登場!これは買いなの?
ところでmineoの通信速度ですが、Y!mobileやUQ mobileに比べると劣ります。
特にお昼や夜は速度が下がりがちなので、気になる方は一度データSIMを契約して、試してみた方が良いでしょう。
乗り換え先候補まとめ:ソフトバンクからの乗り換えには、端末を安く買える格安SIMがおすすめ
ソフトバンクから格安SIMに移る場合、手元にある端末のSIMロックを解除できないとなると、端末代をいかに削減できるかが重要となってくるでしょう。
楽天モバイルやY!mobile、UQ mobileでは、端末を安くセット購入できます。
mineoでは他3社ほど端末代が安くありませんが、使える端末が多いので中古端末との組み合わせに最適です。
なお手元の端末のSIMロックを解除できる場合はどこの格安SIMに乗り換えても端末を使い回せますが。
対応する周波数や地域によっては電波があまり受信できないこともあります。
ソフトバンクから格安SIMに乗り換える場合は、乗り換え先で販売されている端末をセット購入するのが安心です。
U-mobileの最近の傾向
3月にU-mobile Sを開始する以前にも、U-mobileはとにかく色々なタイプの格安SIMを新たに始動させていました。
当サイトでも、今まで色々なU-mobile系格安SIMをレビューしています。
例えば、使い放題のU-mobile PREMIUM。
>>参考記事:IIJ回線の使い放題SIM・U-mobile PREMIUMを契約してみた
25GBの大容量を激安で使えるU-mobile MAX。
>>参考記事:25GBなのに2000円台?話題の『U-mobile MAX』をレビューしてみた
この他にもオーソドックスな(それでも結構特殊ですが)プランを選べるU-mobileや、ワイモバイル回線のU-mobile SUPERがありました。
>>参考記事:無料トライアル実施中の、U-mobileをレビューする
しかし2017年も半ばに入り、状況が変化してきています。
最後に、U-mobileの最近の新展開を2つほど紹介していきたいと思います。
U-mobile PREMIUMが終了した
まずU-mobile PREMIUMのウェブ上での申し込み受付が終了。
最近詳細ページが隠しメニューのように隠されていて変だと思ったら、終了となりました。
U-mobile SUPERも終了という記事がいくつかネット上に見受けられましたが、こちらについてはまだ継続されていますね。
U-mobile自体に使い放題のプランがあるのに別にIIJ回線のPREMIUMが存在するのは無駄に複雑だったので。
今回の終了はやむを得ないようにも思えます。
ただ私が以前使った限りではそこそこ速度的にも満足度が高かったので、PREMIUMにウェブから申し込めなくなるのは残念ですね。
PREMIUMも終了が噂されたSUPERも、おそらくU-mobileの中では人気が低いプランだったと考えられます。
とくにSUPERなんて、Y!mobile本家を契約した方がお得ですからね。
U-mobileは人気のないプランならけっこうあっさり終わらせることが、今回わかりました。
U-mobile Sも、音声通話SIMに対応しない限りそう長くは持たないように思えます…。
心配!
ついに新端末の取り扱いが開始された
U-mobileは大手MVNOの中でも端末の販売に消極的で、いつまで経っても古い端末しか提供されていない状態が続いていました。
しかし今回の記事を書くにあたって確認したところ、
- arrows M03
- P10 lite
- EveryPhoneシリーズ6種類
- Zenfone 3
以上の機種が販売されていました。いきなり9種類も端末が増えるとは!
arrows M03は既に後継機も登場してしまっていますが、おサイフや防水に対応している優れものです。
ただしスペックは2017年の今だと結構厳しめ…。
>>参考記事:SIMフリーのおサイフケータイ対応スマホ『arrows M03』をmineoで契約してみた!
>>参考記事:おサイフや防水搭載の、arrows M04登場!これは買いなの?
P10 liteはデザイン・性能・価格いずれも最強。現在U-mobileで販売されている端末の中では、一番おすすめしたいです。
>>参考記事:最強コスパのSIMフリースマホが登場?P10 liteを購入してみたのでレビューします
EveryPhoneシリーズはウェブ上で取り扱っているMVNOがおそらくここだけなので、珍しいですね。
EveryPhoneシリーズは以前紹介記事を書いています。
価格が安かったり性能が重視されていたりと、それぞれ変わった魅力を持っているのが特徴でした。
>>参考記事:ヤマダ電機のスマートフォン『EveryPhone』の特徴をまとめて紹介!
Zenfone 3 Maxは唯一当サイトで紹介もレビューもしていませんが、バッテリーが大容量の4100mAhであることが特徴ですね。
低性能な5.2インチモデルと性能がそこそこの5.5インチモデルがありますが、U-mobileで販売されているのはZenfone 3 Maxの5.5インチモデルです。
販売価格はどれも他社と比べて高くも安くもないので、あえてU-mobileでセット購入する理由があるとすればEveryPhone以外は分割購入できることでしょうか。
欲しい端末があったら、セット購入も検討してみると良いでしょう。
まとめ:U-mobile Sはサブ回線や子供のゲーム・連絡用におすすめ
というわけで今回は、U-mobile Sについて解説しました。
データ通信のみでiPhoneかiPad用と、なかなかオススメできる人は限られてきます。
私が思うにU-mobile Sは、公式に謳っているとおり他の端末と2台持ちをしたり、子供に持たせたりするのにオススメですね。
ソフトバンクiPhoneやiPadを持っている人は、開幕SIMと合わせて検討してみてはどうでしょうか。
私としては、iPhoneやiPadってソフトバンクモデルでもそこそこ高く売れるので、売ってからdocomo版を買い直して安い格安SIMで使うのも手だと思います!
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