
ついに!この時が来ました。
SoftBank(ソフトバンク)回線の、「音声通話ができる格安SIM」が登場するんです。
ソフトバンク回線を使っている格安SIMは今までにもいくつかありました。
「b-mobile S 開幕SIM」「U-mobile S」のふたつですね。
>>参考記事:ソフトバンクの格安SIMが登場!開幕SIMを契約し、通信速度を調べてみた
>>参考記事:ソフトバンクのSIMロックがかかったiPhoneで使える、U-mobile Sを紹介します
でもこれらはデータ通信しかできず、できることが限られていました。
ソフトバンクからMNPして、スマホ代を削減することも不可能な「2台持ち向け」だったんです。
しかし今回登場となった「b-mobile S スマホ電話SIM」は音声通話ができます。
ソフトバンクからMNP転入することだってできちゃうんですよ。
ただ…色々と注意したいポイントもありますね。
今回は、b-mobile S スマホ電話SIMの詳細に迫っていきます!
ちょっと長い記事になりますが、これを読めばb-mobile S スマホ電話SIMのメリット・デメリットがバッチリわかりますよ。
またソフトバンクが自分で手がけているY!mobile(ワイモバイル)とb-mobile S スマホ電話SIMの比較も行うので、合わせてチェックしてみてください。
b-mobile S スマホ電話SIMの詳しいサービス内容
b-mobile S スマホ電話SIM(長いので以降は「スマホ電話SIM」と記載します)は、ソフトバンク回線の音声通話ができる格安SIMです。
つまり一言で説明すると、スマホ電話SIMではネットと電話の両方ができるんですよ。
電話ができるため、開幕SIMと違いソフトバンクからの乗り換えに対応できるのが大きなメリットですね。
それでは、詳しくチェックしてみましょう。
スマホ電話SIMはiPhone向けの格安SIM
まず対応機種についてです。スマホ電話SIMの利用が可能なのは、
- ソフトバンクのiPhone 5
- ソフトバンクのiPhone 5s
- ソフトバンクのiPhone 5c
- ソフトバンクのiPhone 6(Plusも含む)
- ソフトバンクのiPhone 6s(Plusも含む)
- ソフトバンクのiPhone SE
- ソフトバンクのiPhone 7(Plusも含む)
以上になります。使えるのはソフトバンクのiPhoneのみですが、SIMロックがかかっていても問題なく利用できます。
5以降なら機種はどれでもOK、4s以前では利用不可能です。(SIMカードのサイズが合わない)
もっとも4sを今メインで使っている人ってあまりいないと思いますし、使っていたとしてもそろそろ端末が限界でしょう。
b-mobile Sに乗り換えてもしばらくするともうダメになってしまいそうですし、利用不可能なことはデメリットではないですね。
開幕SIMではiPadも専用SIMで利用可能でしたが、スマホ電話SIMでは使えません。
これはなぜかというと、iPadは電話に対応していないからでしょう。
ここで気になるのはソフトバンクのAndroidスマホの対応状況ですが…
公式サイトの対応端末リストにはiPhoneしかないんですよね。
ソフトバンクと言えばiPhoneですが、Androidスマホを使っている人もそれなりにいるはず。
Androidスマホで使えないのは残念ですね。Androidで使うためのAPN設定が公式サイトに載っていないので、設定自体できません。
スマホ電話SIMは、あくまでiPhone向けの格安SIMということを覚えておきましょう。
ただ開幕SIMの時に、ネット上ではAndroidスマホで使えたという意見が色々見受けられました。
もしかしたらスマホ電話SIMもAndroidスマホで使えるかもしれませんが…とりあえず公式上は不可です。
そしてスマホ電話SIMは、ソフトバンク回線の格安SIMの中では2017年8月時点で唯一の「電話ができる格安SIM」です。
そのうちU-mobileあたりが同じような格安SIMを登場させる気もしますが、現時点では選択肢がこれしかありません。
ソフトバンクなどのキャリアから問題なくMNPできる
音声通話ができるため、ソフトバンクからの乗り換えもできます。
今ソフトバンクを使っていて、手持ちのスマホがiPhoneなら、スマホ電話SIMにスムーズに乗り換えられますね。
なおdocomoやauからの乗り換えも可能ですが、はっきり言ってソフトバンク以外からわざわざスマホ電話SIMに乗り換える意味は無いです。
対応機種はソフトバンクのiPhoneに限られているので、ソフトバンク以外から乗り換える場合おそらく端末も入手しないといけませんからね。
SMSが使えるので、LINEなども利用可能
スマホ電話SIMでは音声通話だけでなく、SMSも使えます。
スマホ電話SIMならLINEなど、SMSで認証を行うことで使えるようになるアプリもバッチリ利用できますよ。
専用アプリを使って5分かけ放題サービスを利用可能、利用料金はかからない
スマホ電話SIMでは、専用アプリを使えば5分かけ放題を利用できます。(iOSにのみ専用アプリが提供されます)
5分かけ放題は標準搭載の機能なので、追加料金はかかりません。
ただし専用アプリから発信しなかった場合は30秒20円の通話料金になってしまうので、注意しましょう。
また110番などアプリを通してかけられない電話番号があることも、要注意。
テザリングは残念ながら非対応
ガッカリポイントです。スマホ電話SIMでは、テザリングができません。
音声通話ができるためメイン回線としてバッチリ使える関係上、開幕SIMに較べればガッカリ度は薄いですが…やっぱり残念ですね。
テザリングができない関係上、タブレットやパソコンなどをスマホと一緒に持ち歩く際はそれらの機器でのネットに公衆Wi-FiやポケットWi-Fiを使うことになりますね。
速度制限にかかった際はブラウザで表示される画像などが圧縮される
スマホ電話SIMで速度制限にかかると通信速度が200kbpsに制限されます。
そして速度制限中は、できるだけ速くデータを読み込ませるためにブラウザ上の画像などが圧縮されると記載がありました。
つまり速度制限中は画像などの表示がしょぼくなる代わりに、(どのくらい効果があるかはわからないけど)ストレスなくネットができます。
Instagramとか、画像の多いサイト・アプリをよく使う人からすると意見が分かれるところでしょう。
私は、速度制限中のみの仕様ということならアリだと思いました。多少表示が微妙になっても、さっさと読み込んでくれた方が良いです。
【推測】b-mobile Sの速度はどうなる?考えてみた
b-mobile S 開幕SIMは爆速でした。
開始から日が浅いことに加えて提供がデータSIMのみで、利用者がかなり限られていたからだと推測されます。
>>参考記事:ソフトバンクの格安SIMが登場!開幕SIMを契約し、通信速度を調べてみた
おそらく今回のスマホ電話SIMも、少なくとも開始当初は爆速でしょう。
ただし読めないのが、今回のスマホ電話SIMは音声通話ができるため、開幕SIMに較べると利用者は増えるかもしれないことです。
もしかしたら、スマホ電話SIMは将来的に速度が落ちてしまうかも。
回線が同じなので開幕SIMも危ないですね。
でも対応機種がソフトバンクのiPhoneのみで、利用者は他の格安SIMに較べるとやっぱりかなり限られます。
速度の変化は読めない…!始まってみないとわからないですが、速度についてはあまり期待しすぎない方が良さそうです。
b-mobile S スマホ電話SIMの料金プランをチェック
さて、ここからは料金プランについて解説しますね。
b-mobile S スマホ電話SIMの料金プランは「使った分だけ支払うタイプ」で、好みが分かれそうです。
スマホ電話SIMは従量課金制、料金設定が絶妙
スマホ電話SIMは1GBから5GBまで1GBずつ、5段階に利用料金が変化します。
フリーテルの「使った分だけ安心プラン」や、エキサイトモバイルの「最適料金プラン」と同じ仕様ですね。
ちょっとオーバーしたら月額料金が一段階上がってしまうので使い方が難しいんですが…
通信量が不安定な人はよくある定額プランより使いやすいと感じるかも。
そして料金プランの一覧がこちら。
通信量 | 月額料金(税抜) |
~1GB | 2,450円 |
~2GB | 2,800円 |
~3GB | 3,150円 |
~4GB | 3,500円 |
~5GB | 3,850円 |
どうでしょう。「高い」と感じた人もいれば、「安いじゃん!」と思った人もいると思います。
この月額料金、かなり微妙なバランスで設定されていますね。
格安SIMとしては、高い料金設定です。しかし「ソフトバンク系の格安SIM」としては、安いと言えるでしょう。
比較対象となるのは、ソフトバンク自身が手がけている格安SIMのワイモバイルです。
例えば1GBまでの月額料金2,450円(税抜)ですが、これってワイモバイルを明らかに意識しています。
ワイモバイルのスマホプランS(通信量1GB)は、1年目が1,980円(税抜)、2年目以降が2,980円(税抜)。
ワイモバイルで1GBプランを契約した場合における2年間のスマホ代の平均が2,480円で、スマホ電話SIMはそれより30円ほど安い。
ただしワイモバイルはキャンペーンで2年間は通信量が2GB使えるので、それを踏まえて考えるとワイモバイルの方がお得ではあります。
1GBぴったりでOKならスマホ電話SIMでOKですが、1GB以上使うことがある場合はワイモバイルの方が良いでしょう。
通信量の繰り越し不可
スマホ電話SIMは従量課金制なので、通信量の繰り越しは残念ながらできません。
絶対に月5GBまでしか使えないので、たくさん通信する人は要注意!
b-mobile S スマホ電話SIMとワイモバイルを比較
ソフトバンクでiPhoneを契約している場合、端末が6s以降ならSIMロックを解除してしまえばワイモバイルに乗り換える手もあります。
ここからはスマホ電話SIMとワイモバイルを比較し、どっちがいいのか考えてみたいと思います。
SIMロック解除の手間がかからないのは、スマホ電話SIMの強み
SIMロック解除、そんなに難しい作業ではないんですが…「面倒くさいからやりたくない!」と思う人は多いでしょう。
実際私の周りでも、誰もSIMロック解除なんてしていません。
スマホ電話SIMならSIMロックがかかったままのソフトバンクiPhoneで利用できるので、余計な手間が一つ減るのが強みですね。MNP手続きさえすればOK。
もっとも、SIMロック解除さえ手間な人がわざわざキャリアからネットからしか契約できないような格安SIMに乗り換えるの?という問題がありますが…
なおワイモバイルで手持ちのソフトバンクiPhoneを使う場合はSIMロック解除が必須ですが、ワイモバイルではiPhone SEを購入できます。
しかも割引で買えてしまうので、5sくらいまでの古いiPhoneから乗り換える場合、端末自体も新しくできるワイモバイルへの乗り換えの方が魅力的に思えるかも。
ワイモバイルなら10分かけ放題なので、通話面ではワイモバイルが有利!
スマホ電話SIMとワイモバイルにはどちらにもかけ放題が標準搭載ですが、スマホ電話SIMだと5分、ワイモバイルなら10分かけ放題です。
スマホ電話SIMは分数が短く専用アプリも必要なので、通話面では普段の通話アプリから発信すれば10分かけ放題になるワイモバイルの方が有利ですね。
ワイモバイルの場合10分以上通話すると超過分は30秒20円、スマホ電話SIMは超過分が30秒10円という違いがありますが…
元々5分多く通話できる関係上、ワイモバイルの方がお得でしょう。
ワイモバイルには通話時間無制限のオプション・スーパーだれとでも定額(月額1000円)もありますし。
【通信量】スマホ電話SIMは最大でも5GB。ワイモバイルは最大14GB使える
スマホ電話SIMは、最大でも5GBまでしか高速通信できません。
しかしワイモバイルなら、最大14GB使えるんですよ。その分月額料金は上がりますが。
通信量が多い人は、ワイモバイルを選んだ方が良いでしょう。
通信速度もワイモバイルの方が安心感がある
ワイモバイルはソフトバンクが直々に展開している、つまり回線そのものを自分が所有しているので、通信速度における不安はほぼありません。いつでも快適。
一方スマホ電話SIMはあくまでMVNO。キャリアからの借り物の回線を使っています。
今後スマホ電話SIMの速度が落ちる可能性は、ゼロではないわけです。
通信速度面でも、ワイモバイルの方が有利と言えるでしょう。
キャリアメールが使えるのはワイモバイルのみ
ワイモバイルでは、ガラケーなどで使われている「キャリアメール」という種類のメールアドレスが無料で使用可能です。
Gmailなどのスマホ電話SIMで利用する「フリーメール」というタイプのメールアドレスは、キャリアメール宛にメールを送っても迷惑メール判定を受けてブロックされることがあります。
しかしワイモバイルのメールアドレスはキャリアメールなので、キャリアメール宛にメールを送ってもブロックされず、しっかり届けられます。
まわりにキャリアメールを使っている人(要するにガラケーユーザーや、スマホでも「@docomo~」などのメールアドレスを使っている人)が多いなら、ワイモバイルの方が安心です。
ワイモバイルならYahoo!プレミアム会員のサービスも利用可能
ワイモバイルは、契約しているとYahoo!プレミアム会員のサービスを利用することもできます。
ヤフオクの出品手数料がお得になったり、Gyaoでプレミアム会員向けの動画が見られたりします。
人によっては、これらもメリットですね。
速度制限がかかった時の通信速度はスマホ電話SIMの方が速い
ワイモバイルで速度制限にかかると通信速度が128kbpsに制限されますが、スマホ電話SIMなら200kbpsです。
またスマホ電話SIMだと画像の圧縮などが行われることもあり、どちらかというと速度制限時の快適さはスマホ電話SIMの方が上でしょう。
スマホ電話SIMには最低利用期間や違約金がない、ワイモバイルは2年契約自動更新で違約金あり
スマホ電話SIMには、最低利用期間も違約金も設定されていません。いつでも自由に解約できます。
一方ワイモバイルは、2年契約の自動更新。契約更新月以外に解約すると9,500円の違約金が発生します。
契約に関しては、スマホ電話SIMの方がシンプルかつユーザーにとっての自由度も高いですね。
ワイモバイルはSIMロック解除済みのiPhoneでテザリング可能、スマホ電話SIMはテザリング不可
最後に、スマホ電話SIMではテザリング不可なわけですが、ワイモバイルならiPhoneでもテザリングできます。
iPhoneでテザリングを使いたいなら、要するにワイモバイル一択ですね。
結論:総合的にはワイモバイルの方が有利、わずかな差でも安さを求めるならスマホ電話SIM
SIMロック解除をしないと手持ちのiPhoneを使い回せないのは難点ですが、それでも全体的にはワイモバイルの方が有利ですね。
わずかな差でも、徹底的にスマホ代を削減したいならスマホ電話SIMでも良いですが、そこまで徹底的に安さを求めないならサービスが充実したワイモバイルを選んだ方が良さそうです。正直。
ワイモバイルなら、日本全国に店舗もあるのでサポートが充実していますし。
まとめ:じっくり検討してから乗り換えよう
というわけで今回は、b-mobile s スマホ電話SIMについて解説しました。
けっこう制限や注意点は多い格安SIMですね。
最後に、どんな人におすすめかをいくつか挙げていきたいと思います。
- 今ソフトバンクでiPhoneを使っていて、もっとスマホ代を下げたい
ソフトバンクのiPhone向けなので、やっぱり基本的にスマホ電話SIMはソフトバンクのユーザー向けですね。
- ソフトバンクのiPhoneを安く入手し、組み合わせたい
ソフトバンクのSIMロックがかかっているiPhoneは、中古市場で安いんですよね。
よほど安く売っていたならあえて購入し、スマホ電話SIMと組み合わせても良いでしょう。
ただソフトバンクのSIMロックがかかったiPhoneの使い道は基本的にb-mobile Sのみ。
できれば多少高くてもdocomoやauのiPhoneを買って他の格安SIMと組み合わせた方が良いかと。
- ワイモバイルのサービスにはそれほど魅力を感じないので、もっと安くスマホを使いたい
キャリアメールや10分かけ放題などが不要なら、スマホ電話SIMを選ぶのもアリです。
というわけで今回はここまで。サービス開始後に申し込んで、速度や使い勝手をレビューしたいと思います。
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